イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)
「ったく…うるさくて集中が出来ないじゃねーか。
おい。大輔。お前も片付けを手伝ってやれ。
どーせ、お前が余計な事を言って
コイツを動揺させたんだろ?」
「へいへーい」
浜野さんが返事をすると先生は、
ブツブツと言いながらリビングから
出て行ってしまった。
そして、散らばった
お皿を拾うのを手伝ってくれた。
「あ、私がやりますので
あの…それよりすみませんでした。
せっかく作ってくれた料理をダメにしてしまって…」
申し訳ない気持ちで謝罪した。
せっかく作ってくれたチャーハンは、
ダメになってしまった。
自分のドジに情けなくなってしまう。
しゅんと落ち込んでいると浜野さんは、
ニコッと笑いながら
「藤崎ってさ…何やかんや言う割りには、
面倒みがいいと思わないか?
今だって、口に出してないのに涼花ちゃんが
どうして、そんなドジをしたか当てたし。
よく人を観察してんだよなぁ~興味なさそうにしてさ」
そう言ってきた。
「えっ……?」
驚いて浜野さんを見た。
そういえば…そうかも知れない。
先生が面倒みがいいのは、前から知っていた。
よくなかったら、こんな私を面倒くさがって
早々と担当を外させているだろう。
なのに先生は、それをしない。
ブツブツと言いながらも引き受けてくれた。
人を観察しているのは、気づかなかったけど?
「先生は、学生の頃もあんな感じだったのですか?」
私は、何気に尋ねてみた。
「まぁね。ほら、アイツって基本
一匹オオカミじゃん?
誰かとつるむ事もしないし
よく1人で読書とかしてて無口でさ。
だけど…見た目派手だし
カッコイイから女子なんてキャーキャーと言われて
男子は…面白くないわな」
浜野さんはアハハッと笑った。
「………。」
どう言ったらいいのか戸惑ってしまうが
何となく想像が出来る。
確かに先生は、一匹オオカミな所があるわ。