イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)

えっ……?

しかし、すぐにハッとして
ガイドブックを確かめた。

私が言った乗り物は、
全て年齢制限で身長制限に引っかかった。

つまり睦月君は、乗ることが出来ない。

ガーン!!

「あー年齢制限と身長制限あるの忘れてたわ!?」

そ、そんな……せっかく調べたのに。
いや、それ以前に何故
気づかなかったのかしら?

「お前な……自分の乗りたい物ばかりじゃねぇーか。
睦月の事を忘れてるな」

「い、いえ…けして忘れた訳では!!

どれも人気ですし、男の子なら
こういう絶叫マシンの方が好きかと思いまして」

慌てて否定する。

「でも、乗れなかったら意味ねぇーだろが。
大体年齢的にもそんな絶叫マシンを乗せようと
させるな」

(うっ……)

正論過ぎて何も言えなくなる。

確かに。小さな子供に乗せるものではない。
危険が及ぶから

あぁ、どうして私ってこうなんだろう?

張り切ったり、慌てるとろくな事がない。
失敗ばかり。

せっかくいい所を見せようとしたのに……これだと
自分の事しか考えてない嫌な女になってしまう。

「……すみません。
睦月君も…ごめんね?」

しゅんと落ち込みながら謝った。

後ろに座っている睦月君は、
きょとんと首を傾げた。

そうしたら先生が

「それで睦月が乗れそうな乗り物とかないのか?
せっかく行くのなら何か乗りたいだろ」

そう言ってきた。

えっ…?あっ…。

私は、慌ててガイドブックを見る。

「そ、それならペンギン観覧車とか
いかがでしょう?
ペンギン・メリーゴーランドや
ペンギン南極船も人気らしいですよ。
どれも年齢制限がありません」

< 88 / 257 >

この作品をシェア

pagetop