イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)

は、反応がない……。

ぺん太君も必死に手を振ったり
ジャンプしたりアピールをしてくれるのだが
まったく反応しなかった。

睦月君…せめて何か反応するか笑ってあげて

必死なぺん太君が可哀想だ。

子供なら皆こういった着ぐるみが好きだと
思っていたけど
あまり好きではないのだろうか?

どうしたものかと悩んでいたら先生が

「おい。お前ら写真を撮るのではなかったのか?」

呆れながらフォローをしてくれた。

た、助かった…。

「そ、そうですね。じゃあ写真でも
撮ってもらおうかな?
ぺん太君お願いします」

何とか場を和ませるように言う。
スタッフさんに頼み
睦月君を抱っこしたまま横に並んだ。

しかし先生は、スタッフさんの後ろを
腕を組みながら見ているだけで
入ろうともしなかった。

あれ?

「先生は、入らないのですか?
せっかくなら一緒に撮りましょうよ」

先生も一緒に撮りたい。だが、

「はぁ?何で俺が、そんな変な物体と
一緒に撮らないといけねぇーんだよ?
俺は、撮らん。」

バッサリと否定された。

せ、先生……!?

結局、先生抜きで写真を撮ってもらったが
ぺん太君は、ショックを受けたのか
しゅんと落ち込みながら行ってしまう。

スタッフさんが必死に励ましていたけど
なんだか申し訳ない事をしてしまったわ。

「おい。行くぞ。まず何処に行くんだ?」

「あ、はい。プールの方に…」

慌てて先生の所に戻った。
次こそは…。

< 91 / 257 >

この作品をシェア

pagetop