*°春夏タチバナ*°
「えっと…どちら様ですか??」
こんな恥ずかしい姿あんまり見られたくないのですが…
私が話しかけてもそのクマは無言で
無言のままお湯の入ったバケツを差し出してきた
「??」
わけのわからない私を置いて
そのクマは勝手に私の制服をとってそのお湯につけて
除光液をかけてスポンジで叩き始めた
「ちょ、え??
どうしたんですか??」
多分落としてくれてるんだろうけど…
その前にこの人は一体誰なの…?
そしてそのクマさんが私の制服を
洗い終わると、私に差し出してきた
その制服はだいぶ色が落ちてて
この人のおかげでこんなに落ちたんだなって思う
「あ、ありがとうございます!
あとはクリーニングに出しますね」
スカートも多少汚れたけどもう乾いてきたし
親に聞いてなんとかしよう
きっとすごく怒られるだろうけど……
私がお礼を言ったにも関わらず、クマさんは立ち去ってくれず…
私の髪を触ってきた
「髪??
あ、もうこれはどうしようもないので切りますよ」
首から下の方が汚れてるから
ボブくらいに切ればいいしね
そう言って笑いかけると
そのクマさんが頭をガバッととった
そして現れたのは……
「秋…くん」