負けません!


あたしは必要なものを鞄にまとめた


……もっと早く向井さんの異変に気がついていたら
連絡帳だって、今日の朝だってSOSは出てた
なんでもっと早く気がつけなかったんだろう
あたしが早く気がついてたらかなたくんはこんな悲しい思いしなかったかもしれない

もっとちゃんと話をしてたら
もっとちゃんと向井さんを見ていたら

そんな後悔が頭の中でぐるぐる回る


…こんなところで悩んでる場合じゃなかった

外にたか先生とかなたくん待たせてるんだった



「南」



あまりにも遅いあたしを見兼ねてかなたくんを抱っこしながらたか先生は玄関に
遠慮なく上がってくるような足音が聞こえあたしは出てきそうな涙を一生懸命引っ込めた

「ごめんなさい、お待たせさせてしまいました」

そう謝って
あたしは今にも泣きそうなそんな顔を隠すようにたか先生と寝ているかなたくんの横を通り過ぎた

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