お隣さんのキケンな誘惑
✱✱✱
「メー!久しぶりだな、っておいっ!」
私はマンションのエレベーターのとじるボタンを急いで押した。
私がエレベーターに乗って直に久藤さんが少し離れた場所から手を振る姿が見えて目があった。
だが私はまた逃げてしまったのだ。
明日に気持ちを伝えようと思っていてまさか久藤さんがこんなに早く帰宅するなんて思わずに軽くテンパッてしまったのもある。
私はエレベーターの扉が開くと急いで自分の部屋へと走った。
部屋の前に着いて鍵を鞄から取り出そうとするが、こんな時に限って直に見つからない。
やっと鍵を見つけて玄関の扉を開けようとした時だった。
誰かが走ってくる音がしたと同時に私の名前を呼ばれた。
「メーっ!ハァハァ…何で無視すんだよ!」
階段を急いで登ってきたのか久藤さんはハァハァと息を切らして私の所まで走ってきた。
「あれっ…く、久藤さんが居たなんて気づかなかったですよ?」
「嘘つけよ!目が合ったのを俺は見逃していない!何で逃げたりすんだよ?何か悪いことでもしたか?」
「べ、別に悪いことなんて何もしてませんよ!何もね!私は疲れてるんで失礼します!」
私は"何も"の所を強く言って鍵を鍵穴に入れて回して玄関の扉を開けた。
だがそれを久藤さんが阻止して私は玄関の扉と久藤さんに挟まれた状態になってしまった。
私は振り向いて久藤さんに言った。
「な、何するんですか!手をどけて下さい!」
「嫌だ!何か俺に言いたいことがあるんだろ?逃げられて何もないわけないだろ?
ちゃんと言わなきゃ伝わらないだろ?」
至近距離でそう言われ、壁ドン状態の私にはもう逃げ場はなかった。
覚悟を決めて私は久藤さんに言った。