ゆりかご
「俺?もちろん陸上。繭は?」

やっぱり……。

一生懸命走ってる翔矢は、誰よりもカッコイイーーーその姿を思い出して、少しだけ切なくなった…。

高校での3年間は、側で見ている事ができないんだ。

中学では、ずっと見てきたーーーずっと見てて…好きになって、中3の秋に思い切って告白して……まさかのオッケー。

夢みたいだった……夢なら覚めないでほしいトカよく言うけど、まさにその通りだった。

「あたし?多分部活には入らないよ。学校遠いし、翔矢がいないんだもん。」

「そう言うなって(笑)。しょうがないだろ?だけど繭も陸上入れば、大会で会えるんじゃない?」

「……。」

そうか、その手もあるのか……。

「う〜ん。ちょっと考えてみる。それよりさ、明日って会える…?」

「おう、いいよ。俺んち来る?」


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