ゆりかご

「うんっ!行く!行きたい!!」

「あはは。そんなに力入れて言わなくても(笑)。」

「だって…!」

だんだんと高揚していく、あたしの心ーーー翔矢の事が大好きなんだと、今更ながらに実感する瞬間。

ーーーあたし達は明日の約束をして、電話を切った。

「……。」

明日は何を着て行こう…。

あぁ、春休みの間に新しい服を買ってもらっておくんだった。

中学生の時に着てた服じゃ、子供っぽいかな…。

早く化粧とかも覚えたいーーー翔矢に可愛いって思ってもらいたい…。

そういえば、美羽はもう化粧してたな…。

彼氏が年上だからかな。

今度、教えてもらおう……。

「繭子ーっ!ごはん食べなさいよー!」

一階から、お母さんの威勢のいい声があたしを呼んだ。

「はぁい!」

あたしはバタンと勢いよくドアを閉めると、下へ降りていった。

早く明日にならないかな…。


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