ゆりかご
そんなところに…わざわざ行きたくない……。

翔矢の応援に…行くつもりだったけど……行ったって、きっとそこでもあたしは泣いてしまうから。

平静を装うことなんて、無理。

「…えッ⁈ちょっと繭子…?私、変な事言っちゃったかな…。大丈夫?」

キーン…コーン……

「席つけー。」

チャイムが鳴って担任が着席を促す…いつもの朝。

でもあたしは、土曜日の光景を思い出して……泣いていた。

「先生、清田さんオナカが痛いので保健室行きたいんですけど。」

「大丈夫か⁈泣くほど痛いのか?早く連れてってやりなさい。川原、頼むな。」

「はい。行こ、繭子。立てる?ゆうちゃんありがとう、後はあたしが付き添うから大丈夫。」

「あ、うん。」

あたしはただ、流れていく状況に任せていたーーー…。


「…繭子。とりあえず保健室行こ。休むなら休めばいいし、話したいなら聞くし。」

廊下に出て、2人で保健室へ向かうーーー機転を利かせてくれた美羽に感謝。

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