私を本気にさせないで
呑気に自分磨きをしている場合じゃない。
どうするんだよ、そんな彼女の心を変えてしまうような男が現れちまったら。
ただでなくとも、俺は彼女よりも三つも年下で、頼りないっていうのに……!

そう思ったら気持ちばかりが焦っていく。

彼女に男として認識されたい。
彼女の中の、俺に対する見方を変えたい。

その一心だった。

だから今日はチャンスだと思ったんだ。
誰も乗っていないエレベーター。

男だってことを認識してほしくて、壁際まで追い詰めたけれど、初めて見る至近距離での彼女は想像以上に可愛くて、大人っぽくて理性が一瞬にして飛びそうになってしまたほど。

慌ててブレーキをかけるも、そのブレーキをいとも簡単に外すようにいきなりエレベーターは停止するし、停電するし。
< 21 / 125 >

この作品をシェア

pagetop