私を本気にさせないで
親子参加で食品を扱うイベントだし、ミスは許されない。
それ以前に打ち合わせから色々と大変だ。
会場の手配や器具の手配。
なにより材料の準備。

今から考えただけで目が回りそうだ。
しかもそれをこういった大きなイベントは未経験に等しい大森君と一緒なのだから。
でも――……。

「白田先輩、よろしくお願いします!」

彼となら、なぜか小さなミスもなく無事にイベントを終えられるような気がしてならない。
それは普段の彼の仕事ぶりをみてきたからかもしれない。

「こちらこそよろしくね」

どんな仕事にも一生懸命だし、分からないことや困ったことがあったら、変な維持やプライドを見せることなく聞いてくる。
嫌な仕事にも、一切表情に出さずに取り組んでいるし。
< 48 / 125 >

この作品をシェア

pagetop