私を本気にさせないで
参加した親子みんな楽しそうにクリスマスケーキを制作していた。
もちろんお手伝いで参加した私と大森君も。



「お疲れ様」

使用した会場の最後の確認をしていた大森君に、自販機で買ってきた缶コーヒーを差し出す。

「すみません」

そう言うと大森君はハニカミながら、そっと受け取った。

つい数時間前までは、子供たちの熱気に包まれていた会場内も、今は私と大森君のふたりだけで、シンと静まり返っている。
そんな室内にお互いプルトップを開ける音が異様に響いた。

「いやしかし、楽しい一日でしたね」

「……うん」

大森君の言う通り、本当に楽しい一日だった。
仕事ということも忘れて、すっかり参加していた子供達とはしゃいじゃったし。
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