絶叫脱出ゲーム~奴隷部屋カラ今スグ逃ゲロ~①
両手で棒の先を握りしめたまま、上体を起こした。


「離せ! 離せ!!」


桃乃はそう言いながらブンブンと棒を振る。


それに合わせたあたしの両手も上下した。


桃乃は必死で棒を自分の方へと引き寄せようとしている。


それならば……。


あたしは思いっきり桃乃へ向けて棒を突き出した。


あたしの力と桃乃自身の力が加わり、棒は勢いよく桃乃の胸部にぶつかった。


「ぐっ……」


桃乃が奇妙な声を上げ、目を見開く。


力が弱まったすきに、あたしは棒を奪い取った。


桃乃は胸を押さえ、うずくまる。


形勢逆転だ。


あたしは棒を両手で握りしめ、桃乃を見下ろした。


人なんて殺せない。


そんな恐ろしい事あたしにできるわけがない。
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