オトナな部長に独占されて!?
中に入ると、茶色と白を基調としたスタイリッシュな空間が広がった。
カフェとチョコレート菓子販売店とで、入り口は分かれていたけど、中に入ると仕切りがなく行き来できる造りになっている。
カカオの香りが立ち込めて、まだ食べていないのに、舌にチョコレートの味を感じる気がした。
案内された2人用のテーブルで、葉月部長と向かい合う。
彼は珈琲。私はホットチョコレートドリンク。
上質なカカオの風味を楽しみながら、店内を見回していた。
「葉月部長、随分とシンプルなデザインですね。
私ならもう少し、装飾したいところですが……」
すっきりスタイリッシュでいいと言えばいいのだけど、何となく物足りない店内設計に、そんな感想を小声で漏らしてみた。
「そうですね。クライアントさんも、主な客層である女性が楽しめるよう、華やかでエレガントな雰囲気を希望されていましたが、改装予算が少なかったもので。
住野主任も悩んでいましたし、私も相談を受けましたが、予算上これが精一杯でした。
少々心配していたのですが、商売繁盛されているようで一安心です」