オトナな部長に独占されて!?
葉月部長は撮影用のカメラに向けていた視線を、私に流した。
どこか色気を感じる流し目に、立花萌ならきっとドキンとして顔を赤くするだろう。
しかし私は、ギクリとして視線を逸らした。
それは、そうだけど……。
古くて汚いと直接的に言ってなくても、遠回しに伝えている自覚はあった。
なんとか店主を、リフォームする気にさせるためだ。
それを店主が不愉快に思っていたなら、非常に申し訳ないところだけど……違うんだよ。
鶴亀さんは笑いながら、『うちの店は古いし汚いし、客が来なくて当たり前』といつも言う。
自分で言うんだから、私もそう思っていることが伝わっていたとしても、別にいいじゃないか。
それに、問題点を明らかにしないと、リフォームの話が出せないでしょうに。
葉月部長は物言いたげにこっちを見ているけど、私は間違ってないと思う。
古くて汚くて、客が来ない店。
だからリフォームしましょうと提案するのは、店主のためでもある。
鶴亀さんも『リフォームするしかないよね〜』と言っているが、私の立ててくるプランに必ず『でもな〜』と渋い言い方する。
首を縦に振ってくれないのは一体どういうわけなのか。
振り回されている気分で、最近はこっちが不愉快になる。