オトナな部長に独占されて!?
ごめん……じゃないわよ。
散々人を振り回しておいて、契約なしなんて。
でも……仕方ない。
私だって店主の意に沿わないリフォームなんて、請け負いたくない。
何のための、誰のためのリフォームなのか。
それくらい分かっている。
古いお店ほど様々な事情を抱えているから、儲けだけが全てじゃないって分かってる。
鶴亀さんが、店を変えたくないという本心に気付けて良かったんだよね。
それをしたのは、今日ここに初めて訪問した葉月部長。
はぁ……。
私がやってきたことって、何だったんだろう。
これは、落ち込みそう……。
がっくりとうなだれていたら、頭にポンと大きな手の平が乗せられた。
そんな子供にするみたいな慰めはいらないよ……。
そう思うけど、その手を振り払う気力が残されていなかった。
「高村さん、社に帰りましょう」
「はい……」
部長に促されて立ち上がり、店主に深々と頭を下げた。
「色々と、申し訳ありませんでした」
「いやいや、こっちこそごめんな。
高村さんにはたくさん話を聞いてもらったのに、本当にごめんな」
謝って、謝られ。
写真館のドア付近でそうやっていると、店の奥のパーテーションの裏側から、急にひとりの男性が現れた。