オトナな部長に独占されて!?
店主の鶴亀さんの顔が、強張っていた。
息子さんに本音を聞かれたことを怒っているのか……いや、そうじゃない。
泣きそうなのを我慢しているみたい。
心が揺れているのかな。
『帰ってきたということは、もしかして……』と期待が膨らむ一方で、『そんなわけない』とも思い、ふたつの気持ちの間で苦しんでいるのかな……。
「オヤジ、俺はいつかこの店を継ぐつもりでいたよ。ここは生まれ育った場所でもあるから、俺にとっても大切なんだ。
でもさ、オヤジも分かっている通り、古く汚いままじゃ客がこなくて商売にならないんだよ。
オヤジがこの店を変えたくないのも分かっていたし、俺は継ぐなら変えないといけないと思っているしで、ぶつかるのが分かっていたから今まで逃げてた。
逃げてごめん。
でもどうしていいのか、正直わからない」
ああ、そっか……。
息子さんは息子さんで、葛藤があったんだね。
店を継ぎたいけど、歴史ある写真館を改造したら、父親を傷つけてしまうだろうと思って……。
どうすればいいのだろう。
全てが丸く収まる方法なんて、ないみたいだけど……。