オトナな部長に独占されて!?



店主の鶴亀さんの顔が、強張っていた。

息子さんに本音を聞かれたことを怒っているのか……いや、そうじゃない。

泣きそうなのを我慢しているみたい。


心が揺れているのかな。

『帰ってきたということは、もしかして……』と期待が膨らむ一方で、『そんなわけない』とも思い、ふたつの気持ちの間で苦しんでいるのかな……。



「オヤジ、俺はいつかこの店を継ぐつもりでいたよ。ここは生まれ育った場所でもあるから、俺にとっても大切なんだ。

でもさ、オヤジも分かっている通り、古く汚いままじゃ客がこなくて商売にならないんだよ。

オヤジがこの店を変えたくないのも分かっていたし、俺は継ぐなら変えないといけないと思っているしで、ぶつかるのが分かっていたから今まで逃げてた。

逃げてごめん。
でもどうしていいのか、正直わからない」



ああ、そっか……。

息子さんは息子さんで、葛藤があったんだね。

店を継ぎたいけど、歴史ある写真館を改造したら、父親を傷つけてしまうだろうと思って……。


どうすればいいのだろう。

全てが丸く収まる方法なんて、ないみたいだけど……。


< 47 / 145 >

この作品をシェア

pagetop