オトナな部長に独占されて!?
注文も支払いも全て部長がしてくれて、私はカウンター席の端っこに俯いて座っているだけ。
目の前にカプチーノが入ったカップが置かれた。
表面の白い泡に描かれているハートの模様に向けて、おまけの溜息をもう一つ。
隣に座る葉月部長がブラック珈琲を口にして、私に言った。
「高村さんが落ち込む必要はないですよ。
恐らく今日か明日中には、鶴亀写真館のことでまた忙しくなると思いますので」
「え……?」
慰めてくれているのだろうけど、随分と変な慰め方だ。
鶴亀写真館については、もう終わったこと。
まるでまだ商談が続いているような言い方を疑問に思い、視線をカップから隣に移すと、葉月部長はニッコリと優しい笑顔でこっちを見ていた。
その時、私のオフィススーツのポケットで、スマホが震えた。
ワタワタしながらコートの前ボタンを外してスマホを取り出すと、ディスプレイには【鶴亀写真館様】の文字が。