叶うはずのない恋愛
「え、課題って昨日でたやつ?あれ提出期限までまだまだあるじゃんか。」


紗紀は信じられないという目であたしを見てくる。普通でた課題はその日にやるもんでしょ…。
あたしは心のなかで溜め息をついた。


「提出期限は来週でも、早めにしとかないとめんどくさいでしょ?」


「かえはいいよねーッ。
頭よくて、運動神経抜群で…。オールマイティだよね…。」


紗紀は羨ましそうにあたしを見る。
あたしは紗紀のが羨ましいよ。
顔とかも可愛しさ…。
あたしは半分呆れながら学校の校門をくぐった。


「頭よくないからッ。」


あたしはそう否定しながら靴を履きかえた。
廊下は相変わらず騒がしい。
あたしは真っ直ぐ教室に向かい席に座った。


「前川おはよ。」


隣の席の夏川 翔 ナツカワ カケルが話しかけて来た。
ちなみに夏川とあたしは結構仲が良い。
あたしは夏川が好きだけど、夏川は紗紀が好きだからあたしは叶わぬ恋。そうわかってるのに諦めれないあたしは女々しい。


「おはよ、夏川。紗紀と昨日メールした?」


あたしと夏川の話す内容は最近紗紀の話。
あたしは夏川とのこの関係を崩したくないから、
恋愛なんかしないって言い切ってる。その度に胸が締め付けられる。
好きな人に嘘をつく。
これがどんだけ後になって後悔するかあたしはまだ知らない。
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