控え目に甘く、想いは直線的
「ああ、そうだな。候補が二つあるんだけど、野々宮はアクションものとファンタジーもの、どっちが好き?」


「私の好みですか? ファンタジーって、もしかしてあの話題作ですか? あれは私も見たいなーと思っているんですよ」

部長とファンタジー映画は結び付かないけど、今一番の話題作である映画は子供よりも大人のほうが楽しめると評判で、私も観たいと思っていたものだ。

私も帰ってから行こうかな。それとも明日にしようかな。


「じゃあ、そっちのほうを調べてもらえる?」


ご飯を食べてからだと二時くらいがいいかな。部長に頷いてから、スマホをタップさせる。


「あ、二時からありますよ! ちょうどいい時間ですよね?」


「ああ、いい時間だな」


「いい時間があって良かったですね!」


私も送ってもらってからその時間に行くのは間に合うかな? でも、部長と鉢合わせになるのも気まずい感じがするから、あとの上映にするか他の映画館にしようか……
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