バレンタイン狂詩曲(ラプソディー) 〜キスより甘くささやいて 番外編〜
今日は休日の月曜日。
今日も早起きして、チョコレート作りをしようとしていた美咲の捕獲に成功した。
だって、これ以上、パントリーのチョコの山を大きくするわけにはいかないだろう。
朝、シャワーを 浴びているところに乱入して、一緒にシャワーを浴びながら、捕まえ、ベットに強引につれこんだのだ。
美咲は初めは、チョコレートの練習したいって、何度もくちづけの間に言ったけど、俺の手の動きの明確さに、とうとう降参し、甘い声を漏らした。
俺は、もう、何度も美咲と身体を重ねているけど、時々美咲が潤んだ瞳で俺を見つめてくると、理性が吹っ飛んで、美咲の身体に溺れてしまう。今日もゆっくり、優しく。と思っていたのに、途中から、夢中で求めてしまった。俺は美咲の前では、高校生のころのままだ。好きでたまらなくて、苦しくて、愛しい。いくら身体を重ねても、もっと欲しくなる。
余裕がある大人になるのはまだまだ先になりそうだ。
美咲は俺の腕の中で眠っている。今日はチョコレート作りはさせないよ。ゆっくり、俺の相手をしてもらおう。
次に目が覚めたら、海沿いをドライブして、三浦で、寿司でも食べてこよう。と美咲のこめかみに唇をつけた。

その日の夜。
俺たちは遅い夕飯を食べるのに山猫にいた。
天気が良かったので、ドライブは気持ちよく、三崎口のマグロも美味かった。楽しい休日だったと思うのに、美咲はちょっと不満げだ。
「颯太ったら、チョコレート作りにちっとも協力してくれない。」とトオルに文句を言っている。俺は、
「せっかくの休みの日に放って置かれるのは嫌だ。」と言って額にシワを寄せる。トオルは呆れて、
「このオトコは、半日くらい美咲から離れる事もできないのかしらね。…それに、またふたりとも飲まないし。」と笑う。
「明日も仕事だからしょうがないだろ。そろそろ、日持ちがする、チョコレートは用意するんだから。忙しいんだよ」と笑っておいた。
美咲がトイレに立った隙にトオルに
「バレンタイン前日、夜中にここの厨房貸してくんない?」と聞くと、
「颯太も美咲にチョコを作るの?」と笑いかける。
「まあね。」と言うと、
「わたしにも分けてくれるんなら、いいわよ。」と言ったので、
「持ってくるのは15日だけど。」と言うと、快くOKしてくれた。

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