幸せ行きのチケット
〜第3章〜

卒業

高校生活最後の日。

私は早朝から出掛ける支度をしていた。

暖かい服を来て、メイクは適当に。

卒業式まではまだ時間がある。

私には、どうしても行きたい場所があった。

祐輔との思い出の場所。

幸せな時間をくれた場所。

そんな大切な場所に行きたかった。


時間をかけてこの場所にたどり着いた。

途中、今までのことを思い出して涙がでてきたりした。

でも逆に笑顔になれたりもしたんだ。

今までの思い出は悲しいものばかりではなかったから。

……この道を曲がれば…。

『祐輔に会える』

会えないのに…。

『会えるってば』

会えるわけない。

『笑顔で迎えてくれるよ』

祐輔は…もう笑ってくれないんだよ。

この世にいない。

そう。

もう祐輔はいない。

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