Rose of Blood 【リメイク版】
シエルの肩に頭を預け、そのまま寄りかかった。


「寂しかった?」


無言で頷くと、シエルはクスリと笑い肩を抱いてくれた。


「今日は甘えん坊な日だな。」


シエルの肩に頬を寄せ顔を見上げると視線が重なった。すると優しく微笑んでくれた。私はこの笑顔が大好きだ。

いつも綺麗だと思うけど、こうして近くで見るとうっとりしてしまう程綺麗だと思う。


「……シエル。」

「ん?」


この笑顔を崩してしまうかもしれない。そう思いながらもやっぱり確かめずにはいられない。


「シエルは誰かの血を飲んでるの?」


シエルは瞳を揺らし、困った顔をした。滅多にこんな顔をする事はない。私は気になってしょうがなかったけど、シエルにとっては聞いてほしくなかった事なのかもしれない。


「……ルカと出会ってからは一滴も飲んでいない。」

「え……!?」


パッと体を離すと、眉尻を下げたシエルは私の頬にそっと触れた。



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