白い隊服
ふぅと少し息をつき、肩に置かれた手をそっとはずし、両手でつつむ。
「…お気遣い、ありがとうございます。
ですが、どうかご心配なさらず。
柔術だって使えますし、護身用の短刀も持っています。」
にこりと、わざと明るく振る舞う。
まぁ実際、心配性の父が入れた楊心流の道場では、誰にも負けなかった。
もともと運動が得意だったし、負けず嫌いなのもあったから、たくさん努力した。
そしたらいつのまにか兄弟子たちや師範とも互角に戦えるくらいにもなった。
「はぁ…そういうこと言っとるんやないんやけど…。まぁ、あんたがそこまで言うんなら……」
「はい。私ももう、18です。
身の周りのことは大抵できます。」
「……そうでっか…
ほんでも、困ったことあったらいつでも来るんよ!
約束やで。」
「はい。」
心配症だなぁ…お父様みたい…。
…いけない、また泣いてしまう。
ぐっと気を引き締め、私たちは眠りについた。