白い隊服
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その翌朝。
私は朝早く起き、朔さんの手伝いをした。
母の手伝いをよくしていたからか、たくさんあった仕事を手際よく終わらせた。
その合間に体術の稽古もできる範囲でやった。
一日でも怠ると、体が鈍ってしまうからだ。
「今日の夜、出発かぁ。」
ポツリと言葉をもらす。
まだ8歳の妹と離れて暮らすのは、私にとってもつらい。
たった一人の家族だ。
しかも、これからは私一人で暮らして行かなければならない。
本当は不安でしょうがなかった。
ああ、いけない。こんな顔をしていれば、葉月が悲しむ。
葉月はもっと辛いだろう。
まだ8歳だというのに親に先立たれ、たった一人の家族とも離れて暮らすのだ。
私がしっかりしなくてどうするのよ!
両頬をぱんぱんと叩いた。
すると、後ろから小さな声で「ねぇさま…」という声が聞こえた。
驚いて振り向くと、俯いた状態の葉月が立っていた。