白い隊服
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そして、いよいよ夜がやってきた。
後ろから葉月の視線を感じながら家を出る支度をする。
支度を終え、玄関に立って二人に言う。
「それでは朔さん、これから妹をよろしくおねがいします。」
「はいよ!あんたも気ぃつけてな。」
そう言って私の頭をガシガシとなでる。
「ねぇさま、葉月、がんばります…!」
「うん。朔さんの言うことをよく聞いて、いい子になるんだよ。
たまに顔を見せに行くからね。」
葉月の頭を撫でたあと、再び抱きしめる。
そうだ、別に永遠の別れというわけではない。
だから今泣く必要はない。
それなのに涙が出そうになる。
それを最後までこらえ、笑顔で別れの言葉を言った。
「さようなら……!」
二人に見送られ、家を出た。