白い隊服
「葉月…。」
しまった。見られちゃったかな?
葉月は何も言わず私に抱きついた。
その体は小さく震えている。
きっと泣いているのだろう。
私は葉月をあやすように、そっと撫でる。
「仕方ないでしょう。私一人では葉月を養えないの。…大丈夫!朔さんはいい人だよ。」
「ッ…ヒック…」
それでも泣き止まない葉月。
あぁ、どうしようか……こんな時、お母様はどうしていたっけ。
「葉月、もう8歳でしょ!
だから、これからは朔さんのお手伝いをするんだよ。
ほら、母様のお手伝いもできたでしょう?できるはずだよ。ね?」
「でも……ッ…
……うん。葉月、頑張る…」
赤い目をこすりながら頷く葉月を、優しく抱きしめ頭を撫でる。
「…ん。えらいえらい。
葉月、大好きだよ…。ねぇさまも頑張るからね!」
精一杯の笑顔で笑う。
少しでも葉月が元気になるように。