夏とサイダーと手紙
手にとってみたそれは、思ったよりも小さな瓶だった。

その瓶の中には小さく、折り畳まれた白い紙。

詰め込まれた大きめのワインの様なコルク製の栓を、力付くで引き抜く。

何度も何度も折り畳まれたその紙を開くと、そこには可愛らしく丸みを帯びた文字で、ただ、「閉ざされた私の世界から、広い広い海の向こう側へ。良かったら私の世界を広げて下さい」とだけ書かれていた。
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