イジワル同居人は御曹司!?
「暴れないで安静にしてなさい」
「はあい」私は唇を尖らせて、奏さんの広い胸にそっと寄りかかってみる。
柑橘系のコロンの香りに包まれると嘘みたいに安心した。
天敵なのに変なの。
私を抱き上げるその腕に力がこもったのは気のせいだったのだろうか。
エレベーターが到着し扉が開く。
「あら、兄さん…と、紗英じゃない」
不意に声を掛けられる。
顔を上げると歩が目を真ん丸くしてこちらを見ている。
「ど…ドッペルゲンガー?」
ゆうぽんは歩と奏さんを交互に見てボソリと呟いた。
歩と一緒に乗っているロマンスグレーの男性は見覚えがある。
…どころじゃない。
我がP&C社の会長だ。
「このエレベータは辞めておきましょう」
「申し訳ありません。緊急事態です」
止めようとしたのにも関わらず、奏さんは怯まずエレベータに乗りこんでいく。
心配してくれるのはありがたいけど、11月1日付けで地方行きの辞令が出たらそれは奏さんのせいだろう。
恐る恐るゆうぽんも後からついてきた。
「どうぞ、お気になさらず」
会長は二コリと微笑んだ。
「申し訳ございません」
奏さんはペコリと頭を下げる。
「はあい」私は唇を尖らせて、奏さんの広い胸にそっと寄りかかってみる。
柑橘系のコロンの香りに包まれると嘘みたいに安心した。
天敵なのに変なの。
私を抱き上げるその腕に力がこもったのは気のせいだったのだろうか。
エレベーターが到着し扉が開く。
「あら、兄さん…と、紗英じゃない」
不意に声を掛けられる。
顔を上げると歩が目を真ん丸くしてこちらを見ている。
「ど…ドッペルゲンガー?」
ゆうぽんは歩と奏さんを交互に見てボソリと呟いた。
歩と一緒に乗っているロマンスグレーの男性は見覚えがある。
…どころじゃない。
我がP&C社の会長だ。
「このエレベータは辞めておきましょう」
「申し訳ありません。緊急事態です」
止めようとしたのにも関わらず、奏さんは怯まずエレベータに乗りこんでいく。
心配してくれるのはありがたいけど、11月1日付けで地方行きの辞令が出たらそれは奏さんのせいだろう。
恐る恐るゆうぽんも後からついてきた。
「どうぞ、お気になさらず」
会長は二コリと微笑んだ。
「申し訳ございません」
奏さんはペコリと頭を下げる。