イジワル同居人は御曹司!?
「部長を説得して経営会議の議事に載せることはできませんか?加藤さん」

うーん、と言って加藤課長は顎に手をあてて考え込む。

「確かにこの資料はよく出来ているな」

そりゃそうだ。資料の下書きはほぼ奏さんの案なんだもの。

私が何度作りなおしても納得がいかなかったようで、最後にはプリプリ怒りながら自分でプレゼン資料の叩きを作成していた。

「でも上がなぁ」

加藤課長は渋い表情を浮かべる。

「お客様の解り易いオンラインサイトを作ることが出来れば顧客満足に繋がります。それをバーンと前に押し出して説得しましょう」

桜井がフォローしてくれる。

「やってみるか?藤田よ」

A3用紙のプレゼン資料を指ではじき、加藤課長は呑気な口調で言う。

「経営会議に掛ける前に、部長とグループ担当を説得が先だな。部長会で発表するお膳立てはつけておくよ」

部長会とは、各部署の部長さん達が集まる会議のことだ。

此処で承認を得られない限り、経営会議に掛けることは出来ない。

部長陣の説得は自分達でやれ、ということか。

上等じゃんか。

「ありがとうございます」

私はニヤリと笑みを浮かべる。

加藤課長の説得は一先ずクリアした。

心の中でガッツポーズを作る。

「うん、頑張れよ」

加藤課長は穏やかな笑みを浮かべた。
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