イジワル同居人は御曹司!?
「藤田!」

打合せが終わり会議室を出て行こうとすると桜井に呼び止められた。

「どうしたんだよ、急に方針を転換させるなんて大きく出たな。こんな資料まで用意して」

桜井が目をキラキラさせているので、私は「へへ」とだらしなく頬を緩ませる。

「前々から他社のサイトと比較したりして、色々考えてたんだ」

私は白々しく嘘をつく。

「もし実現出来たら我が社の一大事業になるかもしれないなぁ」

桜井は肩を竦めた。

「かもしれない、じゃなくて実現するんだよ。これからの時代、商品を売るのは営業だけじゃないから」

なぁんて書籍に書いてあることをそのまま偉そうに言ってみる。

「一緒に頑張りましょう」私は二コリと微笑けた。

「そうだな。実現させよう」

桜井が私の肩をポンと叩く。

その瞳には、今まで私に向けられる事がなかった光が宿っていたのは気のせいだろうか。
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