イジワル同居人は御曹司!?
「なんですか?」

冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターを飲みながら思いっきり眉根を寄せた。

「紗英こっちへ来い」

奏さんはソファーをポンポンと叩いている。此処に座れ、と言いたいらしい。

アルコールでボンヤリした頭で反抗するのも面倒臭くなり、言われた通りに隣に腰を下ろす。

奏さんは肩に手を回して私の髪に顔を埋める。

「くすぐったい」

鼻先が微かに触れるて私は身を捩る。

「うん、大丈夫。匂いはすっかり取れたな」

奏さんは納得したように言う。

「お前桜井と何してた」

奏さんは肩に手を回したまま私の顔をジッと覗き込む。

「別に何もしてません」

思考を見抜かれないよう私は思いっきり顔を背ける。

「じゃあ、どうして紗英からあいつの香りがしたんだ?」

奏さんは不愉快そうにスッと目を細めた。

桜井に告白されたシーンが頭を過り思わず顔を赤らめる。

「まさか…身体を許したのか?」

「んなわけねーだろ!」

思わずタメ口で突っ込んだ。

「じゃあ、キスは?」

奏さんが唇にそっと触れると、私の身体はカチンと固まった。

「キスはしたのかと聞いている」

私は小さく首を横に振る。
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