イジワル同居人は御曹司!?
「今日のお昼は何食べたんですか?」

「…パン」

紗英は眉根を寄せて「何パンですか?」と尋ねる。

「解らない。誰かがコンビニで買って来た甘いパンだった」

仕事に意識が集中すると、食に対する興味が一気になくなる。

「そんなんじゃダメです!」

紗英は真剣な表情で俺をジッと見つめる。

アルコールでほんのり赤くなった頬が可愛いらしい。

「食べに行くのも買いに行くも面倒くさいんだ」

紗英は呆れ顔でため息をつく。

「明日からお弁当作りますね」

職場で手作りのお弁当…勘弁してくれ。

「要らない」と即座に御断りさせていただく。

好奇に満ちた目で見られる所を想像しただけでゾッとする。

「ええー良いじゃないですか、愛妻弁当!」

「冷やかされるに決まってる。そもそもお前は俺の愛妻じゃない」

紗英は突っ込まれてハッと耳まで赤くする。

「そ、そういうつもりで言ったわけじゃありません」

じゃあ、どういうつもりで言ったんだ?

なぁんて問い詰めたい所だけど、自分の首を絞めることになるのでやめておこう。

真っ赤になりながら羞恥に孕んだ目で狼狽える紗英を想像すると、ちょっとだけ興奮した。

…やっぱり末期だ。
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