イジワル同居人は御曹司!?
「ああ!残念です!今私は外に出ているので社にはいないんですよ」

『どちらですか?』

「有楽町です」

『丁度いい。外出ついでに我が社までご足労いただけますか?』

今度は私が沈黙した。


そして今此処にいる…

所在なさげに佇んでいると「藤田さん?」と声を掛けられる。

振り向くと小泉氏がきょとんととした顔で立っていた。

地獄に仏…。

「小泉さん!」

昼ドラよろしくなテンションで私は小泉氏に駆け寄る。

「外出から戻られんですか?」

小泉氏はハテ?と小首を傾げる。

「今日はずっと社内におりましたが」

…あのメガネめ!騙したな!

「それより藤田さんがどうして我が社にいるのでしょうか」

「ああ!実はですね…」と言いかけたたところで「小泉」と後ろから声を掛けられる。

「私がお呼びしたんだ」

振り向くと奏さんが此方へ向かって歩いて来た。

「これから打ち合わせをするけど、小泉も入れるか?」奏さんが尋ねる。

「すみません。いま至急案件の対応に追われてまして」

小泉氏は申し訳なさそうに眉根を寄せた。

「ええ…?」思わず落胆の声が漏れる。

「そうか。では先に進めているので完了次第私のオフィスに来てくれ」
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