イジワル同居人は御曹司!?
落胆し、言葉少なめにゆうぽんと川沿いの遊歩道をのんびり歩いて行く。

さらりと乾いた初夏の風がアルコールで火照った頬を撫でて心地よい。

暫く歩いて行くと、前方を歩く長身の男性二人の姿を発見する。

私とゆうぽんは思わず顔を見合わせた。

小走りで男性達の側まで駆け寄って行くと、二人の会話が聞こえて来た。

「しかし、羽瀬さんが退職されてしまうのは非常に残念です」

小泉氏の話しに我が耳を疑う。

どうゆうこと?退職って。

私の心臓が激しく脈打つ。

「最後の仕事のパートナーが小泉でよかったよ」

「それで最終出社日は?」

「7月末付で退職するけど、有給消化があるから7月18日になる、と思う」

あと数か月しかないじゃない。

あまりのショックな話しにくらりと目眩がする。

「奏さん、会社…辞めちゃうんですか?」

私は無意識のうちに声を掛けていた。

奏さんと小泉氏は、身体をビクリと痙攣させてこちらに振り向いた。

「紗英…何時の間に…」

奏さんは驚いて大きく目を見開いた。

「どうゆうことですか」

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