イジワル同居人は御曹司!?
「大丈夫かな…酔った勢いで変な事されたりしないよね」私はボソリと呟く。

「小泉氏…」

そっちかよ、とすかさず奏さんに突っ込まれる。

ゆうぽんは見た目を裏切らないガッツリ肉食系女子だ。

そして小泉氏は明らかに草食系男子。

「大丈夫だよ。小泉はお前が思っている以上にしたたかな男だから」

そっか、ならよかった。

私は胸をなでおろす。

…って何ホッとしているんだ!私は!

「人の心配してる場合じゃありませんでした」

我に返り、キッと鋭い視線を奏さんに向ける。

「我が社のプロジェクトを途中で放棄するのですから、ちゃんと説明してください。どうして会社を辞めるんですか?」

「転職するから」

奏さんはツンとお澄まし顔で言う。

まさかの回答に私ははぁ?!と言って大きく目を見張る。

「まさか地方に引っ越して漁師になるとか?!」

「そういう生き方も悪くない…けど違う」

「じゃあ…俊君みたいに起業するんですか?!」

奏さんは顎に手を置き「ちょっと惜しい」と言う。

「ああ!まどろっこしい!隠してないで教えてくださいよ」

私は謎かけみたいな奏さんの回答に痺れを切らせて再びスーツを掴む。

「転職したら教える。今は雇用主と守秘義務の契約を結んでいるから言えないんだ」

そうですか…と言って私はするりと手を離す。
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