イジワル同居人は御曹司!?
「う、自惚れるのもいい加減にしたらどうだ」

なあんて言いつつ、奏さんの頬は仄かに赤い。

私は奏さんの手をギュッと握る。

「私も寂しかったです。胸が張り裂けそう、とはこーゆー事なんだって初めて知りました」

「じゃあ、何で出て行ったりしたんだよ」

奏さんは苦しそうに眉根を寄せて私を抱き寄せた。

夢にまで見た奏さんの広い胸。

私は腰に手を回してぎゅうとしがみつく。

奏さんの香りを胸いっぱいに吸い込んだ。

ああ、やっぱりいい匂い。

「次に女性が尋ねてきたら、私はきっと奏さんを刺していました」

「…強烈だな」

やっぱりちょっと、引いているみたい。

「それで」私は奏さんから身体を引き離して顔を見上げる。

「私を受け入れる覚悟は出来たんですか?」

奏さんはそうだ、と呟き腕を解くと、私の手を引いてリビングへ連れて行く。

引き出しをゴソゴソ漁ると中から小さな箱を取り出した。

「紗英に渡そうと思ってた」と言って私に差し出す。

「私に?」

奏さんは目元を綻ばせて頷いた。

「クリスマスプレゼント。ちょっと遅くなったけど」

「もう初夏ですけど」

私はクスクス笑いながらゴールドのリボンを解く。

蓋を開けてみると、ゴールドとシルバーが繊細に重なったリングネックレスが入っていた。
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