イジワル同居人は御曹司!?
「すごく…素敵。ありがとうございます」

胸が詰まってありきたりの言葉しか出てこない。

「裏を見てみて」

リングひっくり返すと何か文字が彫ってある。

「Reserved?」私は首を傾げる。

「予約済ってことだ。誰にも手を出されないよう紗英に首輪を付けておこうと思って」

「私は犬ですか」ムッとして唇を尖らせる。

「あの時は事情があって、紗英の気持ちは受け入れられなかった。けど、少しだけ待ってて欲しい、って言おうと思ってた」

「嘘でしょ…?」

私の目にはみるみる涙が浮かびあがる。

「嘘なら、なんでこんなネックレスがあるんだよ」

奏さんは不満そうに目を細めた。

「ごめんなさい」

私は泣きながら奏さんの首にギュッとしがみついた。

そうとも気づかず、私は奏さんを置いてこの家から逃げた。自分が辛いから。

なんて自分勝手で薄情なヤツ…。

私は腕にぎゅうっと力を込める。

「さ、さえ…苦しい」

奏さんは私の腕をタップする。

ごめんなさい!と言って私は慌てて身体を引き離す。

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