イジワル同居人は御曹司!?
翌朝

洗面所でブローした焦茶色のロングヘアーにトリートメントオイルをなじませる。

仕上げに赤みがかったピンクのリップをつけて唇に馴染ませた。

鏡に映った自分にニコリと微笑み掛ける。

うん、今日もなかなかの仕上がり。

その時後ろにぬーん、と黒い影が現れた。

ビクっとして振り向くと、起き抜けの奏さんだった。

スウェット姿に寝癖のついた姿は無防備でなかなかキュートである。

ギャップ萌えってこういう事を言うのだろうか。

「おはようございます」

思わず、頬が緩んでしまった。

「なんだその格好」

奏さんは私の格好を一目見るなりボソリと呟いた。

今日はゆうぽうんから貰った服の中でギリギリ着られると判断したお花柄のフレアスカート、しかもミニ、に黒いニットを合わせている。

「後輩から貰ったんです。たまにはこういう感じも可愛いかなあ、と思って」

てへっと笑うが、奏さんは無言だ。

「へ、変ですか?」

「…なんか痛々しい」

奏さんはボソリ呟き、同情めいた視線を向けてきた。

相変わらず失礼だ。しかも何だかいたたまれない。

「今日の夕飯はビーフシチューです。冷蔵庫に入れてあるのでチンしてください。パンはテーブルの上に置いてあるので適当な大きさにカットして食べてください」

無礼な感想はさておき、夕飯について説明しておく。
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