イジワル同居人は御曹司!?
鏡に映った顔を見て思わずため息が出た。

目は充血しているのに、顔色はやたらと悪く薄っすらクマができている。

焦って仕事をしていたせいか、いつもより険のある顔に見えた。

なんか一週間の疲れが全て顔面に出ているって感じ。

安住の地を守るためとはいえ、仕事と家事の両立は正直しんどい。

お金がかかっているので、どちらも手は抜けないし。

生活疲れを隠すように、いつもより厚めにファンデーションを塗り込んだ。


30分遅れで会場となる居酒屋に到着する。

お店の人に幹事の名を告げると奥の個室に通された。

「遅れましたー」

挨拶しながら中に入って行くと、既にP&C本社に配属された同期が数名集まっていた。

「お疲れー紗英ちゃん」

同じデータマーケティング部の秋山栞(あきやま しおり)に声を掛けられたので隣に腰を下ろす。

「遅かったじゃないか、藤田」

はす向かいに座る桜井が声を掛けてくる。

両隣には明らかに同期には見えない、それどころか平成生まれかもしれないピチピチした若い女子2名を侍らせていた。

そりゃ、ご機嫌だわな。

「ちょっと仕事が終わらなくて」私は二コリと笑顔で交わす。

しかし、この女子たちを何処かで見たことがあるような…

残業後の疲れきった脳を掘り起こし必死に記憶を探る…が、情報処理能力が著しく低下しているので全く思いだせない。
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