きみの愛なら疑わない










スマートフォンのアラームで目が覚めた。自分の部屋だと思って目覚めたそこは見慣れない天井。顔を動かせば見慣れない家具が置いてある。
横で眠る浅野さんの姿を見てからここが彼の部屋であることを思い出した。

ゆっくり体を起こして部屋を見渡し、サイドテーブルに手を伸ばして鳴っているアラームを止めた。小さめの音に設定されたアラームで彼を起こしてしまわなかったことにほっとする。

メガネを外した寝顔を見られる日がくるとは思わなかった。
最近の浅野さんは残業が多く疲れている。できればまだゆっくり寝ていてほしい。

私の家よりも浅野さんの家の方が会社に近い。いつもと同じ時間にアラームは鳴るけれど出勤まで余裕があった。朝ごはんを作ろうとベッドを下りようとしたとき「ん……」と浅野さんが寝返りを打ったかと思うとゆっくりと目を開けた。

「おはようございます」

「おはよう……」

寝起きの彼の声は低い。誰かを叱責する声に近い。それに怯えることはもうないし、彼が叱責することも減ったのだけれど。

「今何時?」

「6時です」

「早い……まだ寝ててもいいよね……」

浅野さんは目を擦ると再び寝ようとする。

「じゃあ私は朝ごはんの用意をしますね」

立ち上がろうとしたとき布団の中から腕が出てきて私の腰に回った。

「わっ!」

布団の中に引っ張りこまれた。背後から浅野さんに抱き締められて、私の背中と浅野さんの胸が密着する。

「いいよ朝ごはんは……」

いきなり抱き込まれて驚いたけれど嬉しかった。浅野さんからのスキンシップに期待してしまう。

「でも朝はちゃんと食べないと頭働きませんよ」

期待していることを悟られないように起きるように勧めてみた。

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