きみの愛なら疑わない
「うー……」
寝惚けた浅野さんは手を私の腰から太ももへ滑らせる。
「浅野さん……」
布越しでもくすぐったさに体をよじって抵抗する。
「ごめん、嫌だった?」
「あ、いえ……違うんです。くすぐったくて」
嫌なわけがない。もっと触れてほしくてたまらない。
「あれ……もうスカート穿いたの?」
浅野さんの手が私の太ももに直に触れた。
「いや、これは……浅野さんのシャツしか着てないからで……」
昨夜パジャマ代わりに浅野さんのTシャツを借りた。下着とそれだけを着て寝たのだ。
私には大きめのTシャツだけど太ももまでの丈しかない。横になると更に太ももがあらわになる。少し手を下に動かしただけで肌に直接触れてしまえる。
「あー……ごめんね、これしかなくて……」
浅野さんはそれだけ言うと私の太ももから手をどけた。
「いいえ……」
昨夜Tシャツを渡してすぐにベッドに入ってしまった。私に背中を向けて寝てしまったので、関係を進める作戦は失敗に終わった。
「しばらくこのままでいい?」
私を抱き締めて横になっているだけの体勢だ。
「いいですけど、ただ寝てるだけでいいんですか?」
遠回しにそれ以上のスキンシップも構わないと伝えたけれど、「これが落ち着くから」と私を抱いた腕を腰から動かすことはなかった。浅野さんの部屋に泊めてくれるようにはなっても、体を繋げようとしてくれたことはない。
「足立さんの髪、いい香りだね」
「昨日の夜は浅野さんのシャンプーを使いましたから同じ匂いがするはずですよ?」
「そうかな? 僕はこんなにいい匂いしないけどな」
私の髪に顔を寄せる。そうして髪にキスをされた。唇に受けるのとはまた違う感触にキスをされた頭のてっぺんがくすぐったい。