きみの愛なら疑わない
「優磨くん……ここはちょっと……」
暫く歩いてやっと止まったのは人通りの少ないホテル街だ。目の前にはキレイな室内が写された看板に大きく料金が書かれ、そのライトは私と優磨くんの顔を明るく照らしている。
「大丈夫です。ラブホには入りませんから」
そう言うと優磨くんはスマートフォンで電話をかけ始めた。
「………あ、まだ会社にいます? 毎日残業なんて慶太さんの会社ブラックですか?」
このタイミングで浅野さんに電話するなんて何をする気なのだろう。
「……今俺の隣にいます。今からラブホに行きます」
「え!?」
私の口から大きな声が出た。優磨くんの嘘にあまりにも驚いたから。
「そうです、駅の向こうの……美紗さんですか? 嫌がってますけど無理矢理連れ込みます」
「優磨くんやめて!」
そんな嘘は今の浅野さんに誤解されてしまうと焦って優磨くんのスマートフォンを取り上げようとしたけれど、優磨くんは片手で私を軽く遮った。
「……怒鳴らないでくださいよ。だって慶太さんは応援してくれてましたよね?」
「やめてって!」
「美紗さん泣きそうですけど、慶太さんは美紗さんが俺とどうなろうと関係ないですよね」
私は必死にスマートフォンを奪おうとするけれど、優磨くんは私をかわして笑顔で会話している。
「あ、このピンクの外観のホテルが良い感じです……でっかい鏡がベッドと天井についてる! すげー! ……はい、泣いてますけどそれがそそります」
「ほんとに! お願いだから!」
「嫌がってる子を無理矢理ってのも燃えますね……だから怒鳴らないでくださいって」
「優磨くん!」
「じゃあ切りますねー」