きみの愛なら疑わない
「そんなに心配ならさっさと好きだって言っちゃえばいいのに」
「は?」「え?」
私と浅野さんの声が重なった。
「いっつも美紗さんのことばっか話して、閉店間際までブックカフェに来るかどうかソワソワしてるじゃないですか。夜中に来るわけないのに」
私は浅野さんを見たけれど彼は私から顔を背けてしまう。
「俺と美紗さんが二人きりのときの様子を聞きたがるし、今も美紗さんが嫌がってるからってこんな所まで止めに来て」
「浅野さん……どういうことですか?」
「やめろ優磨」
怒りを隠すことなく優磨くんの言葉を止めようとするけれど顔は下を向いたままだ。
「俺を応援してるのか嫉妬してるのかどっちですか?」
「優磨!!」
浅野さんは優磨くんに向かって怒鳴った。初めて聞く本気の怒鳴り声に私の体は震える。浅野さんが怖い。そう思ってしまった。
「ほんとに、いい加減素直になってください。俺はもう美紗さんにフラれてるんですから」
「え?」
浅野さんから怒りが消えて驚いた顔になる。
「とっくに両思いなんですよ。見てて焦れったいったらないです」
「…………」
私も浅野さんも言葉が出ない。この状況に戸惑いを隠せない。だって浅野さんは私にずっと冷たかった。どんなに気持ちを伝えても相手にしてくれない。
「慶太さん、俺のことは気にしなくていいんです。もう俺は子供じゃない」
浅野さんの目が揺らいだ。
「恋愛まで面倒見てもらわなくて大丈夫。慶太さんの幸せを考えてもいい頃です」
「優磨……」
浅野さんはずっと優磨くんを弟のように、まだ子供だと思って接してきたのだろう。だから優磨くん本人にそう言われて動揺している。
「それとも、奪っていいなら美紗さんを惚れさせる自信はあります」
優磨くんは突然私の肩に手を置くと顔を近づけてきた。