GREEN DAYS~緑の日々~
その夜、夏穂は自室のベッドでごろごろしていた。玲子が洗濯物を持って入って来る。

「ノックしてって言ってるじゃん!」

「襖なのにノックも何もないでしょ」

「お姉ちゃんは?」

「まだなのよ、遅いわねえ。何だか今日はお友達とギターを聞きに行くって言ってたんだけど」

夏穂は眉間に皺を寄せた。

「ギター?、ギター?」

「あら、夏?」

次の瞬間、夏穂は物凄い勢いで部屋を飛び出した。玲子が後ろから慌てて追いかける。

「夏!、ちょっと夏っちゃん!」



 瑞恵はステージにいる洸を眺めていた。洸は時々唇の端を噛みながら弦を押さえている。夏穂はそんな二人の様子を店の端から見つめていた。



 玲子は懐中電灯を持ちながら家の周りをうろうろしていた。

「ほんとにもう、うちの娘達は」

そこを国人が自転車で通りかかった。

「あら国人君」

「こんばんは」

「どうしたの今時分」

「ちょっと塾に行ってて」

玲子は感心した様に首を横に何度も振った。

「偉いわねえ、うちの娘達と大違い。二人揃って夜遊びなのよー」

「夜遊び?」

「何だかクラブに行くって。知り合いの人がギター弾いてるからって」

国人は鼻を掻いた。

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