GREEN DAYS~緑の日々~
「いないわね、夏」

瑞恵は息をついた。無口な国人。だけど瑞恵は感じていた。彼の不変的な夏穂に対する思いを。国人は心の底から夏穂の事を愛しく思っているのだ。

「国人君」

国人は顔を上げた。

「私ね、本当は弟もいるのよ」

「えっ」

「夏穂の上に。私と二つ違いの。その子は私達の父親の今の奥さんのお子さんで―。一度会った事があるんだけど」

国人は瑞恵がなぜそんな話を自分にしたのかわからなかった。

「国人君、貴方は小さな時からずっと一緒で。血が繋がっていてもいなくても、人と人との繋がりっていうのはそう簡単には崩れないものだわ。夏との綱、持ち続けてくれてありがとう」

国人は少し間を置いてから頷いた。

「あの、」

「ん?」

「この町にいて平気ですか」

瑞恵は微笑んだ。

「ええ。だってここは私が生まれた町だもの」
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