GREEN DAYS~緑の日々~
 数日後、玲子は病室で洗濯物をたたんでいた。柔らかな日差しが差し込んでいる。

「まあまあこんなに早く退院出来るだなんて」

「頭カユイ!」

「しょうがないじゃないの。頭に包帯巻いてるんだから」

夏穂の膨れっ面。

「まあでもあれだわね。その膨れっ面も、今となっては可愛いもんだわね」

「お母さん、夏」

瑞恵が入って来た。手には小さな花束を持っている。

「あら、どうしたのそれ」

「夏にだって」

「夏に?、誰から」

「夏、カード付きよ、開けてみて」

夏穂は瑞恵から花束とカードを受け取り、そっと中を開いた。そこには優美の文字で小さく『GOMENNE』と書いてあった。

「夏」

瑞恵は夏穂がカードを読み終えるのを見ると、病室の窓のカーテンを開けた。夏穂が窓から下を覗くと、そこにこちらをせつなそうな顔で見上げている優美の顔があった。

「優美」

優美は大声で叫んだ。

「水泳大会―」

「えっ」

「水泳大会、一緒に行こう」

夏穂ははっとした。

「国人が出るから一緒に行こう。水泳大会も、新学期も、ずっとずっと一緒に学校行こう。迎えに行くから。朝、あんたん家に迎えに行くから―」

泣きじゃくりながらそう告げる優美。夏穂も涙を拭った。玲子と瑞恵は顔を見合わせて微笑んだ。

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