GREEN DAYS~緑の日々~
コースサイドで洸はキャップをかぶりながら思っていた。あいつの為に何が出来るか。
今の俺に出来る事は、今の俺に出来る事は。
「夏、次だよ、男子の決勝」
夏穂は優美と共にコースに目をやった。そしてはっとした。いつもとは違う国人の表情。夏穂は暑さに顔をしかめた。途端、座っている夏穂の顔に影が映る。
「優美」
優美を呼ぶ声。夏穂は顔を上げた。そこには国人の母親と連れ立って来ている優美の母親がいた。
「お母さん、どしたの」
「いえね、国人君のお母さんの所にお邪魔したら今日の事聞いてね」
夏穂は顔を下に向けていた。国人の母親が皆が座れる様に敷物を敷き直した。
「夏穂ちゃん」
優美の母親の少し低い声。夏穂は顔を上げた。
「これ、体にいいと思って」
優美の母親はそう言って持って来たタッパを夏穂に差し出した。夏穂がタッパを開けると、そこには上等のメロンや季節外れの苺が綺麗に並べられていた。
「お母さん、どーしたのこれ」
「病み上がりには果物がいいって言うから」
「ずるーい。うち、いつも安物の果物じゃん」
優美親子のやり取りを聞いて、夏穂と国人の母親は顔を見合わせて笑った。夏穂は嬉しかった。優美の母親の気遣い、心遣い。思い遣りの気持ち。それだけで十分だった。優美と苺を分け合う。優美が苺を食べながら呟いた。
「大人は素直じゃないね。ごめんって素直に謝ればいいのにさ」
夏穂は苦笑した。
「苺とメロン、美味しいです」
「…色々、ありがとね。優美の事庇って怪我させてごめんね。今週の土曜日は泊まりに来てね。もう夏休みも終わりだから。夏っちゃんのお母さんには私から言って置くから。泊まりに来てね」
優美の母親はハンカチで自分の目頭を押さえた。夏穂の瞳も少し潤んでいる。国人の母親は苺の汁が付いている夏穂の口の周りをお絞りで拭いた。
「女の子はいいわね。あー、可愛い可愛い。なのにどうしてうちの息子はあんなにムサいのかしら」
夏穂達は声を上げて笑った。
今の俺に出来る事は、今の俺に出来る事は。
「夏、次だよ、男子の決勝」
夏穂は優美と共にコースに目をやった。そしてはっとした。いつもとは違う国人の表情。夏穂は暑さに顔をしかめた。途端、座っている夏穂の顔に影が映る。
「優美」
優美を呼ぶ声。夏穂は顔を上げた。そこには国人の母親と連れ立って来ている優美の母親がいた。
「お母さん、どしたの」
「いえね、国人君のお母さんの所にお邪魔したら今日の事聞いてね」
夏穂は顔を下に向けていた。国人の母親が皆が座れる様に敷物を敷き直した。
「夏穂ちゃん」
優美の母親の少し低い声。夏穂は顔を上げた。
「これ、体にいいと思って」
優美の母親はそう言って持って来たタッパを夏穂に差し出した。夏穂がタッパを開けると、そこには上等のメロンや季節外れの苺が綺麗に並べられていた。
「お母さん、どーしたのこれ」
「病み上がりには果物がいいって言うから」
「ずるーい。うち、いつも安物の果物じゃん」
優美親子のやり取りを聞いて、夏穂と国人の母親は顔を見合わせて笑った。夏穂は嬉しかった。優美の母親の気遣い、心遣い。思い遣りの気持ち。それだけで十分だった。優美と苺を分け合う。優美が苺を食べながら呟いた。
「大人は素直じゃないね。ごめんって素直に謝ればいいのにさ」
夏穂は苦笑した。
「苺とメロン、美味しいです」
「…色々、ありがとね。優美の事庇って怪我させてごめんね。今週の土曜日は泊まりに来てね。もう夏休みも終わりだから。夏っちゃんのお母さんには私から言って置くから。泊まりに来てね」
優美の母親はハンカチで自分の目頭を押さえた。夏穂の瞳も少し潤んでいる。国人の母親は苺の汁が付いている夏穂の口の周りをお絞りで拭いた。
「女の子はいいわね。あー、可愛い可愛い。なのにどうしてうちの息子はあんなにムサいのかしら」
夏穂達は声を上げて笑った。