GREEN DAYS~緑の日々~
「間違いありません、息子です」

輝明は震える手で夏穂と一緒に写っている洸の写真を見つめた。夏穂が引き出しに入れていたシールの切れ端。

「間違いありません。息子です」

玲子と瑞恵は何度も瞬きをした。

「石川さん」

玲子は顔を上げた。

「こんなに悲しい事がこの世の中にあるだなんて」

「お母さん」

「息子さんは、私達の為に、すべてを、すべてを」

「お母さん」

瑞恵は玲子の言葉を遮った。

「それは違うわ」

「だって」

「それは違うわ。そんな風に思ってしまっては駄目だわ。形はどうあれ、私達は皆、繋がっていたんだもの。そんな風に思ってしまっては駄目だわ。洸君が悲しむわ」

 瑞恵がそう言い終えた後、三人は俯き、嗚咽した。

「お母さん、お父さん、夏、立ち直ったわ。どれもこれもすべて洸さんのお陰よ。あたし達きょうだい、出会えて良かった。良かったのよ。終わった事なら、終わった事として受け止めたい。すべて」

 輝明は暫くして静かに家を出て行った。かつて住んでいた懐かしい我が家を。玲子と瑞恵は輝明が飲み残して行った麦茶のコップの中の氷が融けて行くのをいつまでも見つめていた。



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