お前、可愛すぎてムカつく。
颯太先輩は数人いる先輩たちの真ん中でしゃがんでいて、私の存在に気づくとこっちを見て手招きした。
「彩ちゃんごめんねー?突然呼び出して」
「い、いえ…」
「一昨日のこと謝りたくてさぁ…実はあの日家から急用の連絡あって急いで帰ったんだよね、だから彩ちゃんになにも言わずに帰っちゃって悪かったなって思って」
なんだ…
やっぱりそういうことだったのか。
少しほっとして、胸を撫で下ろしたのも束の間。
「でもさぁ…彩ちゃんあの日冬弥さんになにしでかしたの?」
「え?」
「めっちゃ怒ってたよ?なにもしてないのにビン投げつけられて、逃げてったって言われたんだけど」
「あ…それは…」
「俺すげぇ責められてさぁ…。だから今日今から連れてこいって言われてんのね?」
「え………?」
頭が真っ白になった。
今から連れてこいって…私を?
「彩ちゃん連れてかないと俺ヤられるからさー」
周りの先輩たちも「カンカンに怒ってたよなぁ」と笑いながら言っている。